-日暮しのこと-

「暮らしに、句読点をうつ仕事です。」

日々流れ行く生活に、区切りの点や丸を入れてあげることで、暮らしに張り合いやリズムがでる。そんなお手伝いができたらば。

屋号を「日暮し」としたのは、もののあはれを象徴し、かつ「暮し」という文字を飼う趣きのある生き物であるからです。

「日暮し」の目的は、単に商品やレシピを提供することではなく、暮らしの豊かさの気づきやこつを共有することです。

つまり「貨幣」によって「商品」を「消費」することではなく、体験を通じて、自らの暮らしの意味を振り返り、さらに各人の「自分で、できる(I CAN)」の感覚を育むことにあります。

そもそも丁寧に暮らすということは、めんどくさいことをきちんとするということです。

そこに「お手軽な方法」とか「いっぺんにたくさん」といった近道は、きっとありません。

そもそも、人生だってめんどくさいもの。きちんと死ぬために、あれこれ悩んで試みて、生きねばなりません。

死ぬまでにどんな色で、どんな句読点をうつのか…「日暮し」は、粋な句読点をうつことに魂を研ぎ澄ませたいと考えます。

「徒然なるままに日暮し台所に向かいて」、気ままにやっていこうと思います。

「日暮し」店長 兼 料理研究家 山本耕平